【株式用語】 自己資本利益率(ROE)

 

〇自己新利益率(ROE)とは?

ROE(自己資本利益率)とは、自己資本、つまり株主が出してくれたお金を使って、どれくら利益を上げたか?の指標です。一株あたりの利益と一株あたりの株主資本で計算されます。単純に、株主資本でどれだけ儲けられたか?の指数なので、ROEが高ければ高いほど利益を効率よく上げているということです。

ROEの計算式は?

 ROEの計算式は、
1株あたりの利益÷1株あたりの株主資本
となります。それぞれの数字の出し方ですが、

1株あたりの利益=当期純利益÷発行済み株式数

1株あたりの株主資本=株主資本÷発行済み株式数

 

〇業種別の自己資本利益率は?

投資する視点での、自己資本利益率ROE)の目安は10%以上。でも、自己資本を使っての利益率になりますから、当然業種や業界によって、この指標は傾向値が出るはずです。そこで、業種別の自己資本利益率について、まとめてみました。

 

こちらは、経済産業省の調べた平成27年度と平成28年度のデータになります。この調査は、毎年実施している企業活動の実態を明らかにするもので、全国3万以上の企業へのアンケート調査から出たものです。従業者50人以上かつ資本金又は出資金3,000万円以上の企業を抽出しているそうなので、比較的大きな会社が多いです。

自己資本当期利益率 平成27年度 平成28年度
  鉱業、採石業、砂利採取業 -2.9 2.4
  製造業 7.1 7.6
  電気・ガス業 9.5 5.5
  情報通信業 8.6 8.9
  卸売業 6.3 8.2
  小売業 7.2 6.6
  クレジットカード業、割賦金融業 5.4 7.7
  物品賃貸業 8.1 8.1
  学術研究、専門・技術サービス業 8.9 8.2
  飲食サービス業 7.9 6.7
  生活関連サービス業、娯楽業 6.5 7.2
  個人教授所 16 9.8
  サービス業(*) 14.3 12.9
合計 7.2 7.6
経済産業省調べ 「平成29年企業活動基本調査速報  

この結果をみると、自己資本当期利益率(平成28年度)は、全業種の中で、「サービス業」(ROE12.9%)がもっとも高くなっています。次に「個人教授所」(ROE9.8%)、「情報通信業」(ROE8.9%)、が続いています。

ちなみに、中小企業の自己資本当期純利益率(ROE)は、中小企業白書のデータとして業界別に紹介されています。中小企業の場合、分母である自己資本が少ないため、全体的に高く出る傾向があります。

中小企業の経営指標(2016年度) 自己資本当期純利益率 (ROE
全業種 9.34%
建設業 10.93%
製造業 8.56%
情報通信業 9.19%
運輸業、郵便業 12.18%
卸売業 7.61%
小売業 11.66%
不動産業、物品賃貸業 8.47%
学術研究、専門・技術サービス業 12.47%
宿泊業、飲食サービス業 14.91%
生活関連サービス業、娯楽業 8.33%
サービス業(他に分類されないもの) 9.81%
自己資本当期純利益率(ROE)=(当期純利益÷純資産(自己資本))×100 2018年版「中小企業白書」より

ということで、大企業と中小企業の業種別のROEをご紹介してみました。このような業種別のデータを参考に、評価するのも面白いかもしれません。